高額な未払い残業代請求の場合

例えば未払い残業代が200万円と高額な場合に着手金無料の弁護士と旧報酬体系で着手金を支払わなければならない弁護士ではどちらを選んだ方が得かを検討してみたいと思います。

証拠書類が十分にあり、労働審判、訴訟しても勝てる見込みがある場合には、弁護士費用の点だけを考えれば旧報酬体系の方がお得だというのは未払い残業代請求の弁護士費用ってどれぐらいのページで解説したとおりです。
ですから、このページでは労働審判、訴訟で勝てるかどうかわからない、といった証拠書類が十分ではないケースで考えてみます。

証拠書類は不十分なケース

実は未払い残業代請求の場合、証拠書類が十分でなくても交渉で回収しているケースが多くあります。

私の知っているケースでも、会社を辞めるひと月前からサービス残業の証拠を固めて退職時にそれまでの2年分のサービス残業代を請求して、会社から回収した例を知っています。

その人の場合でも証拠として十分なのは退職を決めたひと月だけで、過去のサービス残業代は自己申告してある勤務表のコピーに自分の記録から呼び起こしたおおよそのサービス残業時間を書き込んだものでした。

その会社では残業はどれだけしてもひと月に30時間しか申告できないような暗黙のルールがありました。
毎日21時まで残業しても30時間しか申告できません。ですからおおよそですが、毎月50時間程度のサービス残業をしていたことになります。

ただ、しっかりした証拠をとりはじめたのは、退職を決めた後のひと月だけでした。

後の期間は、おおよその概算です。ですが、その会社ではサービス残業が日常化していましたので、交渉はしやすかったと思います。

このように交渉するだけなら、2年間の全期間にわたって詳細な証拠は必要ありません。もっとも相手から反論されることはあります。

会社の対応による

証拠書類が十分でなくても、弁護士が代理人となって未払い残業代を請求してくると、会社の担当者はあとあと面倒になるからと交渉に応じる場合があります。
特にサービス残業が日常化していて、大手企業や大手企業の子会社などは労働審判されるのを嫌がりますので、弁護士が介入してくると嫌がります。

満額回収できることはないかもしれませんが、会社側も労働審判をされるのを嫌がりますので納得できるある程度の落としどころの額で和解ができる場合があります。
逆に、証拠書類をきちんと出してきた分だけ応じる、だとか、証拠書類を出してから交渉に応じる、という強い姿勢でくる会社もあります。

判例で認められた証拠書類があればよいのですが、証拠書類が十分でない場合には、会社側に強硬な姿勢に出られると困ります。

ですから、会社もしくはその部署ではサービス残業が日常化していて、多くの社員がサービス残業をしているという場合は、交渉もしやすいでしょうが、 そのような状況でない場合は、個人の問題となりますので交渉は難しくなります。

つまり会社側がどの程度抵抗するか、会社側のサービス残業の実態などにより、回収できる可能性が決まってきます。
その不確実性によるのですが、請求する未払い残業代も高額になると旧報酬体系では着手金も高額なります。
その点も考え以下では200万円の未払い残業代で考えてみたいと思います。

200万円の未払い残業代の請求

200万円の未払い残業代を請求する場合、旧報酬規程だと残業代を回収できてもできなくても、弁護士に依頼する時点で着手金として16万円支払わなければなりません。
弁護士は着手金をもらいながら残業代が回収できないとあとあと面倒になると思うので、 慎重な弁護士なら「この程度の証拠では不十分です」と追加の証拠資料を要求する弁護士もいるでしょうし、 交渉に自信があって積極的なら「この程度の証拠でも十分です」と引き受ける弁護士もいると思います。

ただ、旧報酬規程を使用している弁護士は、着手金を受け取るので、だめもとで交渉してみましょうという方は少ないと思います。
実際私の知り合いの弁護士も、着手金を受け取る以上、回収できそうにない案件は受任しないという方が多いです。

ですから旧報酬規程の弁護士に相談に行くと、残業代の証拠書類が十分かどうかがわかる可能性があります。

一方、着手金無料、完全成功報酬型の弁護士は、とりあえずこの証拠でも交渉は可能ですから、交渉してみましょうか? ということになることがあります。

あくまで個々人の考え方によりますが、証拠は十分ではないがダメもとでも未払い残業代を請求しなければ気が済まないというのであれば、 着手金無料の完全成功報酬型の方が着手金が無料なだけに着手金を無駄にすることはありません。

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