6名の弁護団で23回の公判

雑誌アエラの記者から、厚生労働省の村木さんの事件ではどれくらい弁護士費用がかかったか、という問い合わせが先日ありました。
6名の弁護士で弁護団が組まれ、公判は23回あったとのことです。
このケースだとどれくらいの弁護士費用になるのかという問い合わせです。

そこで、知り合いの弁護士2名に聞いてみましたが、想像もできないとの答えでした。

確かに弁護団が組まれるような特殊な事件は、想像もできません。
また特殊じゃなくても、弁護士費用はピンきりですので、当事者しかわからないでしょう。
しかも弁護団が組まれるようなマスコミも注目している事件は、手弁当で参加される弁護士の方もいると聞きますので、
正直、どれくらいの弁護士費用がかかったのかわかりません。

わかりませんが、弁護士費用ドットコムとしては、この事件と限定せず、一般論として、仮定の話として弁護士費用を計算してみました。
ですからこの事件の弁護士費用の計算ではありませんので、誤解しないでください。
こうすることで、弁護士費用の計算の仕方、どうやって決まるのかが、一般の方にもわかるのではないでしょうか。




タイムチャージという考え方

タイムチャージとは、弁護士がその事件に対して何時間費やしたかで弁護士費用を計算する方法です。

例えば、弁護士のタイムチャージが1時間1万円だったとします。(この1時間1万円は、安いほうです。)
そして、公判1回に準備・移動も含め一人の弁護士が20時間費やしたとします。
弁護団が6名の弁護士で、公判は23回とすると、6名×20時間×1万円/時×23回=2760万円になります。

もしタイムチャージが1時間2万円なら倍の5520万円になります。
こうして弁護士費用を計算するのがタイムチャージの計算の仕方です。




弁護団を組む場合

しかし弁護団を組む場合は、全てタイムチャージということではなく、総額でいくら、という決め方をするケースが多いといわれています。

まず総額これくらいかかるだろう、という金額を決め、超過したらいくらというような取り決めをします。
例えば、先に1000万円支払っていただき、公判が長引くようならいくらというような決め方をします。

これはちょうど、顧問契約の弁護士費用の計算に似ています。
弁護士の顧問契約も、あらかじめ月額の金額を決め、
顧問契約で決められた時間以上かかるようなら、超過したら分をタイムチャージで計算する。というような決め方をしています。

ただし、先ほども言いましたが、弁護団が組まれること自体、一般の事件とは異なり特殊なケースですし、
手弁当で交通費などの実費プラスアルファで結構という弁護士の方もいると聞きますので、
はじめに決める金額も杓子定規にいくらになるという計算よりは低くなるようです。

しかしいずれにしても弁護士費用は高額で、相当な負担になります。
しかも無罪になっても弁護士費用は本人負担で、相当な負担になります。