(※このページは2019年7月15日に更新されました)

痴漢の弁護士費用の相場【2019年最新版】では、首都圏の9の法律事務所のホームページを参考に痴漢の弁護士費用をわかりやすく解説しています。

このページを読めば、痴漢の場合、法律事務所のホームページのどの項目に注意して弁護士費用を計算すればよいかがわかるようになります。

また法律事務所によって弁護士費用に大きな開きがあることもわかります。

※このページの弁護士費用を参考に弁護士を探す方の不利益にならないように、費用項目ごとの弁護士費用が明確でない法律事務所のホームページの場合、想定できる最高値で表示しております。

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前提条件

痴漢で逮捕された場合の前提条件は下記の通りです。

1.痴漢の迷惑防止条例違反で逮捕され、
2.警察に身柄を拘束されている状態で弁護士に依頼し、
3.痴漢を認め、早期に釈放され、
4.被害者との示談が成立し、
5.不起訴となった場合の弁護士費用

ポイントは、迷惑防止条例違反、痴漢を認めている、早期釈放された、示談が成立、不起訴となった。という点です。

痴漢事件で逮捕され私選で弁護士を依頼した場合、一般的には被害者との示談が成立し不起訴となることが多いです。

ですので、上記の様な前提条件での痴漢の弁護士費用の計算方法と確認ポイントを解説いたします。

またこのケースでの痴漢の弁護士費用が理解できれば、在宅事件の場合、示談が成立せず罰金になった場合の弁護士費用も計算できるようになるため、上記の様な前提条件としています。

可能な限りわかりやすく解説しますので、最後までお読みください。




9社の痴漢の弁護士費用比較表

首都圏の9社の法律事務所の痴漢の弁護士費用をそれぞれの法律事務所のホームページをもとに調べてみました。

結果としまして、最低はA社の50万円、最高はI社の235万円と4.7倍の差があることがわかりました。

早期釈放、示談成立、不起訴と結果が同じでも、このように痴漢の弁護士費用には大きなひらきがあります。

弁護士選びは慎重にお願いします。

項目 A社 B社 C社
初回接見 0円 3万円 0円
着手金 30万円 30万円 20万円
報酬金 20万円 30万円 50万円
勾留阻止 0円 0円 0円
示談 0円 0円 0円
合計 50万円 63万円 70万円
項目 D社 E社 F社
初回接見 5万円 3万円 0円
着手金 20万円 30万円 56万円
報酬金 30万円 30万円 56万円
勾留阻止 20万円 20万円 0円
示談 20万円 20万円 0円
合計 95万円 103万円 112万円
項目 G社 H社 I社
初回接見 0万円 3万円 5万円
着手金 40万円 20万円 60万円
報酬金 40万円 20万円 80万円
勾留阻止 30万円 40万円 40万円
示談 10万円 40万円 50万円
合計 120万円 123万円 235万円

痴漢の弁護士費用で確認する点

A社とB社は弁護士費用が50万円,63万円と比較的安いですが、ホームページを見る限り不起訴でも罰金でも同じ弁護士費用のようです。

一見、弁護士費用がはっきりしていてわかりやすいですが、わざわざ高いお金を払って私選で弁護士に依頼するわけですから、依頼する方は、弁護士が被害者との示談を成立させ不起訴にしてくれることを期待していると想定しているかと思います。

もし不起訴にならず罰金になった場合は、前科がついて弁護士費用とは別に30万円ほどの罰金を支払うこととなります。

ですからこのように不起訴と罰金になった場合の弁護士費用に差がない場合は、依頼する前に不起訴にした実績がどの程度あるのか確認した方がよいです。

絶対不起訴にしますとは弁護士は言えませんが、痴漢事案の状況を聞けばある程度見通しは立てられるかと思います。

痴漢事件を扱う法律事務所の場合、不起訴にできずに罰金の場合は、報酬金を減額する、というところもあります。

次の項目では不起訴と罰金で明確な違いのある法律事務所と違いのない法律事務所の比較表を提示します。

不起訴と罰金の違いが明確な4社

調査した9社のうちC社、F社、G社、I社の4社では、不起訴ではなく罰金になった場合の弁護士費用の違いが明確になっていましたので、被害者との示談を成立させることができず罰金になってしまった場合の弁護士費用に関しての比較表も作成してみました。

赤字の部分が示談成立できず罰金になった場合に変更になる箇所です。

報酬金は変わらないが示談が成立できないことで示談の項目のみ変更になる法律事務所もあります。

項目 A社 B社 C社
初回接見 0円 3万円 0円
着手金 30万円 30万円 20万円
報酬金 20万円 30万円 25万円
勾留阻止 0円 0円 0円
示談 0円 0円 0円
合計 50万円 63万円 45万円
項目 D社 E社 F社
初回接見 5万円 3万円 0円
着手金 20万円 30万円 56万円
報酬金 30万円 30万円 0円
勾留阻止 20万円 20万円 0円
示談 0円 10万円 0円
合計 75万円 93万円 56万円
項目 G社 H社 I社
初回接見 0万円 3万円 5万円
着手金 40万円 20万円 60万円
報酬金 30万円 20万円 60万円
勾留阻止 30万円 40万円 40万円
示談 0円 20万円 20万円
合計 100万円 103万円 185万円

罰金の場合は最低はC社の45万円、最高はI社の185万円となりました。

ここでも最低と最高では4.1倍の差があります。

このように不起訴を獲得できず罰金の場合は大幅に報酬金を下げる法律事務所もあります。

痴漢の弁護士費用は複雑ですので、次に痴漢の弁護士費用のチェック項目を明らかにします。

痴漢の弁護士費用のチェック項目

  • 勾留阻止の弁護士費用の確認
    逮捕され警察に身柄拘束されている状態で弁護士に依頼すると、勾留阻止の弁護活動に対する着手金や勾留阻止できた場合の報酬金が発生することがあります。
    調査した9社のうちこの部分だけで40万円も費用が発生する法律事務所がありました。
    すでに釈放され在宅事件の場合にはこの費用項目はあまり関係ありませんが、警察に身柄拘束されている段階ではこの勾留阻止の弁護士費用もいくらかかるか確認しましょう。
  • 示談交渉・示談成功の弁護士費用の確認
    痴漢の場合、被害者との示談が成立するかどうかが不起訴になるかどうかの大きな判断材料となります。
    ですから示談交渉は必須と考えてもよいでしょう。
    調査した9社なかの最高は、示談交渉する場合の着手金20万円、示談が成立したら30万円、合計50万円の法律事務所でした。
    示談交渉に関わる着手金、報酬金の金額も確認しましょう。
  • 着手金に何が含まれているかを確認
    痴漢の弁護の場合、早期釈放に向けた弁護活動や示談交渉は当たり前と着手金に含めている法律事務所もあります。
    痴漢の弁護士費用の比較表で勾留阻止、示談の項目が0円になっている法律事務所がそういう考えだと思われます。
    ですが、それぞれ別に表示している法律事務所もあります。
    ですから、着手金に早期釈放に向けた弁護活動や示談交渉が含まれているか確認しましょう。
  • 報酬金に何が含まれているかを確認
    着手金の箇所で説明しましたが、痴漢の弁護の場合、早期釈放に向けた弁護活動や示談交渉は当たり前です。
    そして多くのケースで勾留阻止や示談交渉に成功しています。
    これは弁護士費用が高額な弁護士の成功率が高いということもありません。
    普通に刑事事件の依頼を受ける弁護士なら通常備わっているスキルだと思います。
    報酬金に勾留阻止の成功、示談交渉の成功が含まれているかどうか確認しましょう。
  • 不起訴の場合と不起訴にならなかった場合の弁護士費用総額の確認
    痴漢の弁護士費用の計算は複雑です。
    費用項目をぼんやりとさせておいて、多額の預り金を支払わせ、最後に清算すると一円も返ってこない。ということもないとも限りません。
    その際、100万円~200万円の範囲内などぼやっとさせている場合には、上記4点のチェックポイントを参考に、勾留阻止に成功、示談が成立、そして不起訴になった場合と不起訴にならなかった場合の弁護士費用総額を確認しましょう。
    100万円~200万円の範囲内などと書かれていると一般の方々は自分に都合のいいように100万円で解決できるのかな? と考えがちですが、100万円~200万円の範囲内などと書かれている場合にはMaxの200万円と考えていた方がよいです。
    そのためにもこのページで何をチェックすべきか理解してから弁護士を探してください。
  • 罰金に対する考えを確認
    痴漢の場合、まともな弁護士に依頼すれば不起訴になる確率がかなり高いです。
    しかし中には罰金になって前科がついたところで日常生活で不便になることはない。と熱心に示談交渉してくれない弁護士もいます。
    実際、勾留されなければ2・3日で釈放され、その間、会社や学校に病気で休むと上手く理由をつけて休めれば、逮捕されたことも罰金になっても会社や学校に前科がついたことを知られることはありません。
    前科がついて不利益をこうむるのは、医者や医学部生、公務員くらいで、一般の方は前科があるとアメリカにビザなしで行くことが難しくなるなどくらいで、日常生活上あまり影響はないのです。
    あなたが不起訴を望んで弁護士に依頼するのであれば、その法律事務所の不起訴の実績や罰金に対する考えを確認するのも重要なことです。

示談金の準備もしてください

このページの痴漢の前提条件は痴漢の迷惑防止条例違反で逮捕された場合ですので、示談金の相場は30万円ほどとなります。

上記の弁護士費用の他に30万円ほどの示談金の準備もしておきましょう。

痴漢1回100万円!

もっとも安い法律事務所でも弁護士費用総額50万円+示談金30万円=80万円
もっとも高い法律事務所なら弁護士費用総額235万円+示談金30万円=265万円
というお金がかかることとなります。

265万円はさすがに高いですが、ざっくり首都圏の場合「痴漢1回100万円」と言われています。
示談金ふくめれば150万円かもしれません。

つまり痴漢で捕まったら100万円、150万円かかるということです。

痴漢は犯罪です。ですが被害者と誠意ある交渉を行い示談が成立すれば不起訴になる確率が高いのも事実です。

弁護士に依頼し被害者と誠意ある示談交渉を行っていただきたいと思います。

たぶんそれが現在の痴漢被害者に対しても最良の選択肢を与えることになると思います。

この辺の事情はまた別のページで解説したいと考えます。

最後にくどいですが、弁護士選びは慎重に!

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