24時間体制で管理しているので弁護士費用が高いのです

以前私のところに問い合わせがあった内容の一部をお話しします。
その方は、高額な弁護士費用と知らずに契約し、着手金、報酬金を払った後にこのサイトを見つけ、
自分は高額な弁護士費用を払ったのではないかと、電話をかけてきました。

私は弁護士ではないので法律相談は受け付けていませんが、
そのような弁護士費用に関するお話は全部とは言いませんが、聞くようにしています。




弁護士費用が高いと説明を受けなかったのですか?

そこで私が高額な弁護士費用で契約した方に「弁護士費用が高いと説明を受けなかったのですか?」
と聞いたところ「当法律事務所は他の事務所に比べ弁護士費用は高いと説明は受けた」
と答えました。

「どうして高いとわかっていて契約したのですか?」と聞いたところ、
「当法律事務所は24時間体制で待機しています。ですから他の事務所よりも高いのです」
と言われ、頼もしく思い契約したそうです。

この方の場合、高いことの説明を受け、納得して依頼したのですが、
落ち着いて考えてみると、休日や夜間に弁護士に何か依頼したことはなく、
かなり高い弁護士費用を払って失敗したということです。

確かに24時間体制とか言われると頼もしく思いますが、
弁護士に依頼した後は、よほどのことがない限り、深夜に弁護士に電話するということはありません。
そこで、ちょっと視点を変え、この24時間体制と弁護士費用のことを考えてみたいと思います。




24時間体制は法律事務所側の都合

最近はネット広告を積極的に行っている法律事務所が多数あります。
昼間は会社で法律事務所のサイトを見ることができないユーザーが、
帰宅後、深夜にネットで法律事務所を探したりします。

そこで、自分にあった法律事務所を見つけたら、
緊急性の高い事件ほど、すぐに電話をかけて相談したいものです。
その時に留守電になっていたら、ネットで違う法律事務所を探されてしますので、
ネット広告に多額の費用をかけている法律事務所は、24時間体制で電話受け付けをしているのです。

つまり24時間体制で受け付けしている最大のポイントは、新規顧客開拓のためで、既存のお客様のためにはあまり活用されていないのです。
既存のお客様であれば、日ごろから連絡をきちんとしていれば、突発的に夜間に電話がかかってくることは少ないです。

ですから、24時間体制は新規のお客様を捕まえたい法律事務所側の都合であり、
そのために他の事務所よりも費用がかかっていて、その分、弁護士費用が高くなっているだけで、
24時間体制の費用をお客様が負担し、高い弁護士費用を払う必要はないのです。

つまり「24時間体制で待機しているから弁護士費用が高い」という理屈は、
法律事務所側の勝手な言い分で、理屈が通っているようで、実は論理的にはおかしいのです。
正しくは「新規顧客を獲得するためにも24時間体制で待機しているのでコストがかかり、弁護士費用を高くしています」ということです。

これは「一人のお客様を獲得するのに10万円の広告宣伝費がかかるので、その分弁護士費用が高いのです」
と言っているのとほぼ同じです。

誤解のないように補足しますが、24時間体制の法律事務所を批判しているわけではありません。
問題は、24時間体制だから弁護士費用が高いと堂々といわれても、簡単に納得しないで、
担当の弁護士が信頼できる人なのか、きちんと判断して依頼してください。ということです。

弁護士の選び方の参考になれば幸いです。




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