債務整理の事案は個別面談が必要だということを知っていますか

あまりに債務整理の事案でトラブルが多いので、日弁連(日本弁護士連合会)が、依頼者と面接なしの債務整理は禁止という指針を2009年7月に出しました。
それまでは電話の相談で依頼を受け付けられたのですが、面接しなければならないということになりました。
ですから、全国から電話一本で依頼を受け付けることができなくなりました。
なら、どうして全国に支店のない弁護士事務所が、全国規模の広告をしているのか?と疑問に思って調べてみました。




協力弁護士って何?

ここからの話は、私の調べた限りのことで、正確性を欠くかもしれませんので、参考程度にしてください。
例えば、全国規模の広告を見て、過払い金返還請求の相談の電話をしたとします。
あなたの住んでいる地域にその弁護士事務所の支店が無い場合、その地域の協力弁護士を紹介されます。
そしてその弁護士に電話をした事務所に代わって面談してもらいます。
面談後、十分に返還金などがあるような場合は、最初に電話した全国規模で広告している弁護士事務所が依頼を受けます。

ここで素朴な疑問がひとつ、債務整理の仕事は、面談した弁護士が依頼を受けるのではないということです。
身近の弁護士が対応してくれるんじゃなくて、あくまで最初に電話した都会の弁護士事務所が依頼を受けることになります。
へえこんなやり方でもいいんだ、と多少疑問は残りますが、日弁連が処罰していないのであれば、問題はないのでしょう。
(現在は、自社の弁護士が直接面談しなければならないようです)

さて、誰が債務整理の依頼を受けてくれようと、きちんとお客様の身になって処理してくれればいいですが、
利益の取れるおいしい仕事だけして、難しい仕事は懲戒請求されない程度にしか対応しない弁護士事務所もあります。

昔は、債務整理などの案件は、面倒なだけで儲からないので喜んで引き受ける弁護士はいませんでした。
それが今は広告してまで、債務整理の仕事を集めています。
それはなぜかというと、今では広告宣伝費をかけても債務整理は儲かる案件だからです。

上場していない地元の消費者金融なら、
訴訟とかまでしないとだめなこともあり話がこじれ、面倒ですが、
上場している消費者金融業者なら、弁護士が書類を送れば対応してくれるので、
これほど楽な仕事はありません。
だから、有名な消費者金融だけちゃちゃっと処理して、難しいところは・・・
ということです。




弁護士は庶民の味方?

債務整理をしてる弁護士というと「割りの合わない仕事で庶民の味方」と言うのは、昔のイメージで
今は美味しいとこだけさくっと食べて、まずいものはお客様に残したままの、
それでも債務は減るし、場合によっては過払い金が返ってくるので、
何もしないよりは良いのか悪いのかわからないというイメージです。
中には、難しい金融会社の債務まで対応してくれる弁護士もいると思いますが、
冷静に考えて、そういった弁護士は多額の広告宣伝費をかけてまでお客様は探さないでしょう。
日本弁護士連合会の指針にもあったように、依頼者の債務全ての処理を真剣になってやってくれる弁護士を期待します。

ここで話を、商売の話に戻しますが、
儲かればやるけど、儲からなければやらない、これは商売では当たり前のことですよね。
だから弁護士だって、いろいろなマーケティング手法を駆使して、お客を集め、
商売を拡大して、がんがん儲けることのどこが悪いんだ。
というのはわからないでもないですが、何か腑に落ちないところがあります。

基本的に広告は儲かるからするのですから、
弁護士の広告も、弁護士事務所が儲かるためにするのだと考えて、
無条件に受け入れるのではなく、少し冷静に考えてみるのがいいかもしれません。




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