刑事事件の流れと弁護士費用

ここでは刑事事件の流れに沿って、弁護士費用がどれぐらいかかるのかを見ていきます。

警察からの呼び出し、逮捕、勾留、勾留延長、起訴、刑事裁判と刑事事件の流れに沿って、 刑事事件にかかる弁護士費用を解説します。

刑事事件では早く弁護士を選任することが重要になります。
逮捕後すぐ依頼しても、逮捕5日後に依頼しても基本的に刑事事件の弁護士費用はかわりません。
ですから、弁護士費用の件でもそうですが、早めに依頼すれば弁護士も初期の刑事弁護活動がやりやすくなりますので、 逮捕後なるべく早く弁護士を選任したほうがよいでしょう。

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警察から呼び出しを受けた

警察から呼び出しを受けました。そのまま逮捕されるんじゃないか。不安でしかたないと思います。

何か心当たりがあればまだしも、何も無ければ、それこそ不安が増します。
この段階では、呼び出しを受けているだけで、逮捕はされていません。

まだ逮捕されていないので、弁護士に相談は無理か、と思われている方がいますが、 そんなことはありません。
刑事弁護士は相談に乗ってくれます。

都内の刑事事件を扱っている弁護士であれば、初回相談無料の方が多くいますので、 とりあえず、電話をかけて問い合わせしてみましょう。

相談の結果、委任ということになるかもしれません。
ただこの段階ではまだ逮捕されていませんので、 事件としての正式な委任というよりは、 もしものときの委任という形になるでしょう。
ですからいきなり着手金数十万円とかにはならないでしょう。

月数万円の個人顧問契約を結びますか。
とか、もし逮捕された場合は、私に委任しますか。などの話になります。

個人の顧問契約であれば、月額数万円ですので、安心料として契約するのもいいかもしれません。
またその場合の多くは、実際逮捕された場合は、着手金から頂いた顧問契約料を引く、
といった法律事務所もあります。

この場合は、逮捕されるまでに支払った顧問料が着手金から差し引かれますので、 無駄がなくなります。
逮捕されなければ、顧問料が無駄になりますが、安心して生活できるので、 何かあったらすぐに連絡が取れるように顧問契約したほうがよいでしょう。

また、呼び出しは受けていないが、
一緒に犯罪を犯していた仲間が逮捕された。
援助交際していた女子高生が警察に補導され、携帯電話のアドレスを調べられた。
など、いつ自分のところへ呼び出しが来るか不安なときも相談するのがよいでしょう。

なかには、逮捕されてから相談してください。
というような弁護士もいますが、きちんと理由を話せば相談に乗ってくれる弁護士もいますので、 ネットで調べてください。

ここまでの弁護士費用:相談料0円、顧問契約料3万円(1ヶ月)

逮捕されたとき

次に逮捕された場合です

こうなると罪名がはっきりして、刑事事件の弁護士に正式に依頼することになります。
ここでこの事件を受任してもらうため着手金を支払うことになります。

着手金の額は、事件の内容にもよりますが、
自白していて事案簡明な事件では、30万円~40万円程度。
複雑な事件では、50万円以上になる場合もあります。

最も刑事事件で弁護士費用が高くなるケースは、否認しており、無罪を主張している事件です。
この場合は、いくらかかるかわかりません。
弁護士に詳しくお尋ねください。

ここでは、自白事件で事案簡明な事件で着手金40万円と仮定します。

ここまでの弁護士費用:
逮捕前から相談していた人、顧問契約料3万円、着手金40万円-3万円=37万円、合計40万円
逮捕後に依頼した人、着手金40万円

つまりこの段階では、早めに相談しても、逮捕されてから相談しても弁護士費用は同じ ということになります。

逮捕されて72時間以内にできること(勾留阻止)

逮捕後72時間以内ですが勾留阻止が場合により可能です

逮捕後72時間過ぎると勾留するかどうかが決定されます。
その前に、勾留を阻止する刑事弁護が勾留阻止です。

逮捕前から相談していれば、逮捕後すぐに委任し、勾留阻止の刑事弁護をしてもらえるでしょう。

弁護士の選任が遅れれば、あっという間に72時間過ぎますので、通常10日間の勾留が決定してしまいます。

ちなみに国選弁護人の選任では、この72時間には間に合わせることは難しく、 これは私選弁護人を選任した場合の話です。

さて、勾留阻止にかかる弁護士費用ですが、これは様々です。

もっとも高くなるケースは、勾留阻止の刑事弁護で着手金・報酬金が別途かかる法律事務所の場合です。
例えば、勾留阻止の弁護をするなら着手金数20万円、勾留阻止できれば報酬金数40万円とか、 かかります。

多くの弁護士は、委任を受けている刑事事件であれば、着手金なし、 勾留阻止できれば10万円~20万円の報酬金というのが多いです。
なかには、勾留阻止も委任を受けた刑事弁護の一連の処理として、着手金・報酬金なしの法律事務所もあります。

ただ勾留阻止できても、在宅での捜査になるだけですので、不起訴が決まったわけではなく、 起訴されることもあります。

しかし、会社員などは、72時間以内に釈放されれば、会社にも逮捕がばれずにすみますので、 勾留阻止の成果は大きいです。

ちなみに最近は痴漢事件を中心に意外と勾留阻止が認められるようになりました。

ここまでかかった弁護士費用(勾留阻止で着手金はなし、報酬金が20万円とした場合)
勾留阻止できた場合:
高いケース、着手金40万円+勾留阻止の着手金20万円+報酬金40万円=合計100万円
安いケース、着手金40万円+勾留阻止の着手金0万円+報酬金0万円=合計40万円
勾留阻止できなかった場合:着手金40万円

すでにこの段階で、弁護士費用が高いケースと安いケースで倍以上も違ってきます。

示談を依頼する場合

勾留されても在宅でも捜査は続きます。
さて、ここで被害者がいる事件は被害者との示談が重要な要素になります。

被害者との示談ですが、これも弁護士に委任することになります。
するとここで示談に対する刑事弁護活動に対し、着手金・報酬金が発生することがあります。
これも事務所によって様々です。

示談する相手一人ごとに着手金・報酬金が請求される法律事務所。
事件単位で着手金・報酬金が請求される事務所。
着手金は発生しないが、示談成立の時は報酬金が発生する事務所。
着手金も報酬金も発生しない事務所。
それぞれの法律事務所によって異なります。

仮に示談する相手が一人と仮定して弁護士費用+示談金を以下の様になります。

高いケース、着手金20万円+報酬金20万円=40万円
中間ケース、着手金10万円+報酬金10万円=20万円
安いケース、着手金0万円+報酬金0万円=0万円

これを逮捕後72時間以内に被害者と示談し、 勾留阻止ができた場合に当てはめると、弁護士費用は以下の様になります。

逮捕以前から相談しており、逮捕後すぐに委任し、示談を成立させ勾留阻止できた場合
高いケース:着手金40万円+(勾留阻止の着手金20万円+報酬金40万円)+(示談交渉の着手金20万円+報酬金20万円)=140万円
中間ケース:着手金40万円+(勾留阻止の報酬金10万円)+(示談交渉の着手金10万円+報酬金10万円)=70万円
安いケース:着手金40万円=40万円

逮捕後すぐに委任した場合も上記と同じです。

示談は成立できたが、勾留阻止ができなかった場合
高いケース:着手金40万円+(勾留阻止の着手金20万円)+(示談交渉の着手金20万円+報酬金20万円)=100万円
中間ケース:着手金40万円+(示談交渉の着手金10万円+報酬金10万円)=60万円
安いケース:着手金40万円=40万円

高いケースでは、勾留阻止ができてもできなくても着手金は発生しますので、 上記のような金額になります。
同じように示談交渉の着手金が発生する事務所は、示談が成立しても成立しなくても、 着手金だけはプラスされます。

勾留延長を阻止する場合

10日間の勾留期間が終わると勾留延長が請求されます。
ここで被疑者の身柄を解放しようとする動きが勾留延長阻止です。

ここでかかる費用は、勾留阻止と同じです。

ただし、最初の段階で勾留阻止を依頼し、阻止できなくて引き続き依頼する場合は、 追加で費用が発生することはまれです。
ですから、この段階で勾留延長阻止を依頼するのであれば、 逮捕直後に勾留阻止の依頼をしていたほうが得になります。

このように、刑事事件における弁護士費用は、早くても遅くても、 弁護士に依頼する仕事に対してかかりますので、 どうせ同じ弁護士費用を払うなら、早めに委任したほうがよいです。

逮捕されてから起訴・不起訴が決まるまでのまとめ

刑事事件の流れのなかで、 起訴か不起訴か決まるまでの弁護士費用は以下の通りとなります。

自白しており事案簡明な事件で被害者が一人の場合

示談も成立し勾留阻止・勾留延長阻止できた場合
高いケース:着手金40万円+(勾留阻止の着手金20万円+報酬金40万円)+(示談交渉の着手金20万円+報酬金20万円)=140万円
中間ケース:着手金40万円+(勾留阻止の報酬金10万円)+(示談交渉の着手金10万円+報酬金10万円)=70万円
安いケース:着手金40万円=40万円

示談は成立したが勾留阻止・勾留延長阻止はできなかった場合
高いケース:着手金40万円+(勾留阻止の着手金20万円)+(示談交渉の着手金20万円+報酬金20万円)=100万円
中間ケース:着手金40万円+(示談交渉の着手金10万円+報酬金10万円)=60万円
安いケース:着手金40万円=40万円

示談も成立できず、勾留阻止・勾留延長阻止もできなかった場合
高いケース:着手金40万円+(勾留阻止の着手金20万円)+(示談交渉の着手金20万円)=80万円
中間ケース:着手金40万円+(示談交渉の着手金10万円)=50万円
安いケース:着手金40万円=40万円

起訴・不起訴が決定された場合

勾留期間が終わると、起訴(公判請求か略式請求)か不起訴か決定されます。
このなかで引き続き身柄が拘束されるのが、起訴のなかの公判請求です。
ですから、公判請求された場合は、報酬金はなしの事務所が多いです。
また、略式請求と不起訴の報酬金は着手金と同額の事務所が多いです。
つまり、着手金が高ければ報酬金も高くなるのが普通、ということです。

公判請求と略式請求・不起訴の場合のここまでのトータルの弁護士費用を まとめると以下の様になります。

ケース1:示談も成立し勾留阻止・勾留延長阻止でき、不起訴または略式請求になった場合
高いケース:着手金40万円+(勾留阻止の着手金20万円+報酬金40万円)+(示談交渉の着手金20万円+報酬金20万円)+報酬金40万円=180万円
中間ケース:着手金40万円+(勾留阻止の報酬金10万円)+(示談交渉の着手金10万円+報酬金10万円)+報酬金40万円=110万円
安いケース:着手金40万円+報酬金40万円=80万円

ケース2:示談は成立したが勾留阻止・勾留延長阻止はできず、不起訴または略式請求になった場合
高いケース:着手金40万円+(勾留阻止の着手金20万円)+(示談交渉の着手金20万円+報酬金20万円)+報酬金40万円=140万円
中間ケース:着手金40万円+(示談交渉の着手金10万円+報酬金10万円)+報酬金40万円=100万円
安いケース:着手金40万円+報酬金40万円=80万円

ケース3:示談が成立せず、勾留阻止・勾留延長阻止もできず、起訴された場合
高いケース:着手金40万円+勾留阻止の着手金20万円+示談交渉の着手金20万円=80万円
中間ケース:着手金40万円+示談交渉の着手金10万円=50万円
安いケース:着手金40万円=40万円

この場合、ケース1とケース2では身柄も開放され、これで刑事事件は終わりです。
上記の弁護士費用に示談金が、おおよそその刑事事件にかかった費用になります。
示談金が30万円として、
最も高いケースで180万円+示談金30万円=210万円
安いケースで80万円+示談金30万円=110万円
となります。

ただし、安いケースと書いてありますが、 今回は着手金が40万円のケースでシミュレーションしましたが、着手金が30万円のケースでは、 このシミュレーションより結果より20万円安くなるという事も考え、 刑事事件の弁護士費用の相場としては、この結果よりも10万円~20万円ほど低くなります。

ケース3の場合は、引き続き勾留され、刑事裁判を受けることになります。
こうなるとまた弁護士を選任する必要がでてきます。

逮捕後から引き続きその弁護士にお願いするケースもあれば、 違う弁護士にお願いするケースもあります。

それによって費用も異なります。

刑事裁判になった場合

新しい法律事務所に依頼しなおす場合は、ケース3までにかかった費用プラス今後の弁護士費用が 総額の弁護士費用ということになります。

引き続き同じ弁護士にお願いする場合は、多くの場合、 新たに着手金を請求される場合でも、起訴前にお願いした着手金から10万円~20万円を減額する、または2分の1など安くなります。
最も安いケースでは、追加着手金なしというのもありますが、これはまれなケースです。
ここでは、安いケースは最初の着手金の2分の1としました。

同じ弁護士に公判も引き続き依頼した場合の弁護士費用は下記の通りとなります。
高いケース:着手金40万円+勾留阻止の着手金20万円+示談交渉の着手金20万円+起訴後の着手金30万円=110万円
中間ケース:着手金40万円+示談交渉の着手金10万円+起訴後の着手金30万円=80万円
安いケース:着手金40万円+起訴後の着手金20万円=60万円

違う弁護士に委任した場合は、最初から満額着手金がかかると考えてください。
さらに注意しなければならないのは、違う弁護士に依頼した場合、再度、示談交渉や勾留阻止(起訴後は保釈請求になります)で着手金が かかることがあるということも気をつけてください。

ですから刑事事件の場合、早く弁護士を選任した方がよいのですが、 起訴された後々のことも考え、最後まで任せられる信頼できる弁護士を選ぶ必要があります。

保釈請求する場合

さて、公判が確定したが裁判までは1~2ヶ月かかります。
そこで少しでも早く身柄を解放したいと保釈請求した場合はどうなるでしょうか。

保釈請求に関しては、起訴前から拘留阻止の依頼を受けている場合は追加で着手金がかかることは比較的少ないです。
保釈された場合の報酬金は、固定額の10万円から保釈金の20%程度を幅があります。
またなかには、保釈の報酬金はなしの弁護士もいますが、まれなケースですので、 高い弁護士で保釈金の20%、安い弁護士で固定額の10万円、中間で保釈金の10%と仮定し、 最低保釈金の額といわれている150万円の保釈金で弁護士費用を計算しました。

また、被害者との示談成立も保釈に重要な要素として、被害者との示談が成立したという条件も加えました。

高いケース:着手金40万円+(勾留阻止の着手金20万円)+(示談交渉の着手金20万円+報酬金20万円)+起訴後の着手金30万円+保釈の報酬金150万円×20%=160万円
中間ケース:着手金40万円+(示談交渉の着手金10万円+報酬金10万円)+起訴後の着手金30万円+保釈の報酬金150万円×10%=105万円
安いケース:着手金40万円+起訴後の着手金20万円+保釈の報酬金10万円=70万円

判決が出た場合

刑事裁判の場合、判決の内容によって報酬金の額がかわります

報酬金の計算は法律事務所によって様々ですので、ここでは、下記の様に報酬金を設定しました。
執行猶予がついた場合は、着手金と同額
実刑でも検察求刑から2割以上減刑された場合は、着手金の80%
と仮定しそれぞれの場合で弁護士費用を計算しました。

保釈され、執行猶予付きの判決が出た場合
高いケース:着手金40万円+(勾留阻止の着手金20万円)+(示談交渉の着手金20万円+報酬金20万円)+起訴後の着手金30万円+保釈の報酬金150万円×20%+報酬金40万円=200万円
中間ケース:着手金40万円+(示談交渉の着手金10万円+報酬金10万円)+起訴後の着手金30万円+保釈の報酬金150万円×10%+報酬金40万円=145万円
安いケース:着手金40万円+起訴後の着手金20万円+保釈の報酬金10万円+報酬金40万円=110万円

保釈されず、執行猶予付きの判決が出た場合
高いケース:着手金40万円+(勾留阻止の着手金20万円)+(示談交渉の着手金20万円+報酬金20万円)+起訴後の着手金30万円+報酬金40万円=170万円
中間ケース:着手金40万円+(示談交渉の着手金10万円+報酬金10万円)+起訴後の着手金30万円+報酬金40万円=130万円
安いケース:着手金40万円+起訴後の着手金20万円+報酬金40万円=100万円

上記の弁護士費用の違いは、保釈の報酬金がプラスされたかどうかです。

実刑だが2割以上減刑された場合は、上記金額から8万円引いた金額になります。
実刑で2割以上減刑されなかった場合は報酬金は発生しませんので、上記の金額から40万円を引いた金額になります。

実刑の場合は、不服申立て上訴することもできます。
その場合は、再度着手金を支払い弁護士に依頼することになります。

刑事事件の場合、実刑と執行猶予では大きな違いになります。
実刑といわれる身体が拘束される有罪は、有罪判決の5.6%に過ぎませんが、 「執行猶予間違いないです。」など気楽に考えている弁護士ではなく、 慎重に刑事弁護する信頼できる弁護士に依頼してください。

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