所属弁護士の数が多い法律事務所の方が優秀な法律事務所だと一般の方は思うようです。
しかしそれは本当でしょうか?

ここでは、所属弁護士の数が多い事務所の弁護士は優秀か?というテーマを考えたいと思います。

大企業の顧問弁護士との違い

「立派なビルに入居してれば優秀な弁護士?」でも話したように、弁護士の世界には超一流企業の何百億円~何兆円というような企業買収や国際企業間の問題を扱う法律事務所があります。そのような法律事務所を渉外系法律事務所と言います。

このような超一流企業間の問題は、相手になめられないように立派なビルに事務所を構え何十人、何百人と所属弁護士がいる渉外系の法律事務所に依頼するのが一般的です。そして弁護士を何人も並べて相手と交渉します。

また、国際企業の企業活動は多岐にわたりますし、交渉次第では巨額な賠償額を支払わなければなりませんので、中国との取引、商標、独禁法、ダンピング、技術移転など細分化され、弁護士は専門的になります。

一般民事事件の弁護士

しかし一般の消費者や中小企業で起こるトラブルは、医療過誤の問題などは専門性を要しますが、ほとんどは本人にとっては人生で初の弁護士に依頼するようなトラブルでも、弁護士業界ではごく一般的な問題であることが多いです。

ですから、弁護士が何人も組んで解決するような問題は少ないと思われます。

ということは、所属弁護士の数が多い事務所が有利ということはないのです。

大きい会社のものは安心という消費者心理がありますが、個々人の能力に依存される弁護士の世界では、個々人の能力の差が問題となることが多いと思います。

ただし、所属弁護士の多くいる法律事務所の方がいいという方もいますので、それは個人の感覚の問題ですから否定しません。

しかし一般の消費者が多く抱える問題は弁護士チームを組んで当たらなければならないような問題は少なく、所属弁護士の数で優劣が決まるものではなく、個々人の弁護士の能力に左右されることが多いと私は思いますので、法律事務所の大きさと優劣は関係ないと思っています。

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