離婚の際に財産分与、慰謝料など財産給付を伴うときは、財産給付の実質的な経済的利益の額を基準として、着手金及び報酬金を加算して請求することができる。というのは、多くの弁護士のホームページに書かれていることです。
では養育費はどうでしょうか。
養育費の弁護士費用は必ずチェックという動画を作りました。
ご覧いただけたら幸いです。
経済的利益の中に養育費が含まれるか
問題はこの経済的利益の中に「養育費が含まれるかどうか」です。
離婚の際に財産分与、慰謝料、養育費など財産給付を伴うときは、と書かれていれば、養育費も含まれるんだ。とわかりますが、多くの弁護士は、「財産分与、慰謝料、養育費など」とは書きません。
これは、弁護士の旧報酬規程の文章に養育費が入っていなかったためと思われます。
では養育費に関して特に注記されていない法律事務所の場合、養育費は経済的利益に含まれるのでしょうか。
これについては下記の3パターンに分かれます。
1.民事事件の継続的給付債権と同じように、受領できる総額の10分の7を経済的利益とする
2.養育費は2年分(年数は法律事務所により異なる)の受取額を経済的利益とする
3.養育費は経済的利益には含まない
最も弁護士費用が高くなるのはパターン1で、次はパターン2、弁護士費用が発生しないのがパターン3になります。
もっともパターン3の「養育費は経済的利益には含まない」とする弁護士は、利用者側に有利なひとつの売りになりますので、きちんとホームページに書かれていることが多いです。
ですから、養育費が経済的利益に含まれるかどうか書いていない場合は、上記パターン1か2で基本的に含まれるんだろうなと考えておいた方がよいでしょう。
また着手金、報酬金の両方に適用されるのかどうかも確認する必要があります。
養育費を獲得できた場合に報酬金に加算されるだけでなく、養育費の請求額に対して着手金が発生する場合もあります。
これも特に何も書いていなければ、着手金、報酬金ともに発生すると考えてよいでしょう。
養育費は経済的利益に含まないとする弁護士、着手金に経済的利益の加算は発生しない弁護士は、そのことをきちんとホームページに書きます。
ですから、さらりとあまり詳しく書いていない場合は、多めに考えていた方がよいです。
養育費に関わる弁護士費用の具体的な例
ではどのくらい弁護士費用が違ってくるのか具体的に見てみましょう。
養育費を月額5万円、10年間もらうと仮定するとケース1の場合は、5万円×12ヶ月×10年=600万円の70%の420万円が経済的利益になります。
420万円に対する報酬金は40万円、着手金は20万円、合計60万円が養育費獲得の弁護士費用になります。
ケース2の場合は、5万円×12ヶ月×2年=120万円が経済的利益になります。
120万円に対する報酬金は12.8万円、着手金は10万円、合計22.8万円が養育費獲得の弁護士費用になります。
ケース3の場合は、ゼロ円です。
比べると、ケース1は60万円、ケース2は22.8万円、ケース3はゼロ円となり、大きな開きがあります。
今回は経済的利益に対し離婚の弁護士費用計算と同様に民事事件と同じ利率で計算しています。
利率も弁護士で異なりますので、その点でも注意が必要ですが、養育費の考え方だけでも大きく弁護士費用が変ることがわかったと思います。
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