このページでは「離婚に強い弁護士」に関して深く考えてみたいと思います。
実はこの「○○に強い弁護士」というキャッチコピーを弁護士業界に流行らせたのは私なのです。
まずはその経緯からお話ししたいと思います。
弁護士の広告が自由化され多くの弁護士が広告を出すようになりました。
比較的若い弁護士が広告には積極的で、キャリアの長い弁護士ほど「弁護士が広告を出すなんて」と消極的でした。
初めのころはそれでもよかったのですが、多くの消費者がネットで弁護士を探すようになり、必然的に広告に積極的な弁護士がお客を獲得できるようになってきました。
私の知り合った弁護士もキャリアは長く優秀で人柄もよい弁護士なのですが、いかんせん広告に消極的な弁護士で集客に困っていました。
ホームページも事務所の案内程度で、これではビルの入り口に看板を出しているのとほとんど変わりません。
誰も見向きもしてくれないでしょう。
そこで私はホームページをリニューアルし、ネット広告をしてみたらどうかと勧め、そのお手伝いをしました。
そこで生まれたのが「○○に強い弁護士」というキャッチコピーです。
このキャッチコピーはその先生との会話の中から生まれました。
私が「先生の得意とする分野なんですか、先生の特徴をもっとアピールしましょう」と聞いたところ、その弁護士が「○○問題については長い間やってきてるので自信がある。他の先生よりも詳しいと思う」と言ったので、「それならホームページのタイトルは、○○に強い弁護士にしましょう」と私が提案しました。
これが「○○に強い弁護士」というキャッチコピーの誕生秘話です。
数年前の話ですが当時このキャッチコピーは消費者に受け入れられ大成功しました。
そしてその手法が弁護士業界で流行っていったのです。
今では多くの弁護士が「離婚に強い弁護士」「交通事故に強い弁護士」などというキャッチコピーを使用しています。
中には本当にこの法律事務所は離婚に強いの?と疑いたくなるような事務所もたまに見かけます。
「○○に強い弁護士」というキャッチコピーを弁護士業界に流行らせた者として、このキャッチコピーが悪用されているかもしれない現状は見るに堪えません。
ですからこのぺーじでは「離婚に強い弁護士」に関して深く鋭く考えてみたいと思います。
離婚に強い弁護士って誰が認定しているの?
弁護士界には医者のように診療科というような専門制度がありません。
ですから弁護士会からは「離婚専門の弁護士」というような○○専門という表現は消費者に誤解を与えかねないので控えるべき、というガイドラインが出されています。
その一方で「得意分野」を表現するのは、それが主観的であれ得意であればOKとされています。
ですから「離婚専門の弁護士」というのはガイドラインに抵触するおそれがあるのであまり使われませんが「離婚を得意とする弁護士」「離婚に強い弁護士」「離婚問題に積極的に取り組んでいる弁護士」などの表現はよく使われています。
問題は得意でもないのに「離婚に強い弁護士」などと言うことです。
この得意分野かそうでないかを判断するのは弁護士自身の主観によります。
弁護士会では「離婚に強い弁護士」などという認定制度はありません。
テレビや雑誌でも「離婚問題を得意とする弁護士」などと紹介されることがありますが、それも主観的な問題で、誰かがその弁護士を「離婚問題を得意とする弁護士」などと認定していることはないのです。
もっとわかりやすく言うと「離婚に強い弁護士」というのは自己申告で言っているのに過ぎないのです。
「じゃあ『離婚に強い弁護士』と言っていても信用できないのではないか!」と思うかもしれませんが、その通りです。
私がお付き合いしている弁護士のなかで「○○に強い弁護士」というキャッチコピーを使用している弁護士で、その分野を得意としていないのにウソをついている弁護士はいませんが、世の中にはウソをついている弁護士もいるかもしれません。
ですから騙されないように注意する必要があるのです。
テレビや雑誌で紹介されていても簡単に信用しないこと
マーケティングの手法として専門書を出版するという手法があります。
日本ではお金さえ払えば本が出版でき、書店に本を並ばせることが可能です。
ですから、そのことを知っている人は本を出しているからとその著者を無条件で受け入れることはありません。
雑誌の特集もそうです。
テレビや本や雑誌によく掲載されている弁護士が、その得意とする分野で他の弁護士から一目置かれているとか、その弁護士を相手にするのを怖がられているなどということは聞いたことがありません。
どこかのコラムにも書きましたが、私もテレビで「○○に詳しい○○弁護士です」と紹介された弁護士をみて、この弁護士の得意分野はこの分野ではないんだけどなぁ、ということがありました。
ですから、テレビや雑誌で離婚に強い弁護士と紹介されていても無条件で受け入れず、簡単に信用しないことです。
立派なビル、派手な広告、多くの所属弁護士と多くの実績のウソとホント
先に紹介したのはテレビや雑誌などのマスコミを利用したマーケティング手法ですが、もう一つのマーケティング手法を紹介します。
美容整形クリニックを思い浮かべていただけるわかりやすいと思います。
キレイで立派なビルに事務所があったり、必要以上に所属弁護士の数や実績を自慢したりするのは、お客に安心感を持たせ集客しやすくするためのマーケティング手法のひとつなのです。
弁護士業務というのは医者と違い設備はほとんど必要ありません。
ですから、雑居ビルに事務所を構えていてもその弁護士が優秀ならいくらでもやっていけるのです。
今は立派なビルに入居されている弁護士も最初は雑居ビルに事務所を構えていたりするものなのです。
よいビルに入居できるくらい儲けて、多くの弁護士を雇えるくらいになったら自慢したくなる気持ちもわからないでもないですが、それが度を超すとやはり品がないな、などと思ってしまいます。
しかし、立派なビルに入居していることを集客に利用するなら、マーケティングの世界では度を超すくらいにやらないと他の広告に埋もれてしまうこともありますので、仕方がないことかもしれません。
弁護士が言うとなんでも信じてしまうかもしれませんが、広告というのはお客を集めるための宣伝ですから、そのことをよく理解して広告を判断してください。
それとビルとか所属弁護士数、実績などは参考資料程度で、一番の問題はあなたを担当する弁護士自身だということを理解してください。
例えば「離婚に強い弁護士」と紹介されていてもそれは所長だけで、あなたの担当弁護士は新人だったりすることがあります。
その時はどう事務所としてフォローするのか、なども考慮する必要があります。
弁護士に依頼してから文句を言ってもはじまりませんので、とにかく依頼する前の法律相談の際にきちんと担当弁護士を見極める必要があります。
ですから、このサイトでもいいですし、他のいろいろなサイトでとにかく離婚問題に関する知識を多く吸収しておくのがよいかと思います。
「離婚に強い弁護士の選び方」という姉妹サイトも作りましたので、よろしければそちらのサイトも参考にしてください。
離婚に強い弁護士というので依頼したがぜんぜん話と違う、というようなことのないようにキャッチコピーだけで判断せず、慎重に弁護士を選んでください。
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